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自律神経失調症という言葉を聞いて、状態がパッと浮かぶでしょうか?? 難しいですよね!? はい、ここではできる限り分りやすく「自律神経と鍼灸治療」についてお話したいと思います。 まず最初に、西洋医学(病院)ではどういった解釈がるのかを話します。 日本医師会によると自律神経失調症は、「何等かの身体的自覚症状に対し、諸検査をしても原因を特定できないものに対する診断名になり、病名ではない。」とされています。 なかなか、抽象的過ぎて難しく感じますね。 もう少し分りやすく説明すると、身体症状には 原因が明らかな(症状に見合う検査数値異常が認められる)器質性と 原因が明らかではない(症状に見合う検査数値異常が認められない)機能性があり、 機能性は、 などが複合して起こります。 そして、近年は、内科系診療科が原因が明らかではないことから用いない傾向にある反面、心療内科・精神科が精神疾患として用いる傾向にあります。 一般に自律神経失調症が「こころの病」と言われやすいのはそのためです。 同様に東洋医学もストレスは病気の主要な原因とされますが、それは古代から「心身統一(精神と身体は1つ)」とする概念によるものです。 鍼灸医学は、その東洋医学を基調としますが、西洋医学と異なり、健康と病気の間に「未病(病気に向かう過程)」という概念があり、「養生(健康増進)」を図る医療です。 さらにその効能はWHO(世界保健機関)に認められ、西洋医学の補完代替医療として活用されています。 今中鍼灸院では、東洋医学の伝統に基づく鍼灸と西洋医学の科学に基づく鍼灸から病的な身体的自覚症状の緩和を図っています。 |
東洋医学では、「心身統一」の概念から精神と身体がバランスの良い状態を健康と考え、ストレスは病的な身体症状を惹き起こす主要な原因の1つとされています。 東洋医学においてストレスは、 の過度な感情によって精神を乱し、五臓(心、肝、脾、肺、腎)のバランスが乱れるとされています。 また、その逆もあり、五臓のバランスが乱れば、精神のバランスも乱れます。 鍼灸治療は、それらの概念から選定したツボを鍼や灸で刺激することで五臓六腑・陰陽のバランスをとり、最短距離にて治療効果を出していきます。 また、今中鍼灸院では、症状のある局所だけでなく、全身を調整することで自然治癒力を最大限に引き出し、身体症状や精神症状の緩和を図っています。 |
西洋医学の検査数値では分からない、 原因が明らかではない自覚症状を自律神経失調症とするのは、循環、呼吸、消化などの自律機能を掌るのが自律神経になるためです。 そして、ストレスが主要な原因とされるのは、 自律神経の中枢である視床下部はストレスを感受する大脳皮質や大脳辺縁系の修飾を受けるためです。 それゆえに心療内科・精神科は精神疾患に伴う症状として 向精神薬(抗うつ剤、抗不安薬など)を用いますが、 内科系診療科は身体症状が反復する(または持続する)こと自体がストレス(不安、抑うつなど)を招き、 その結果として自律神経が失調し症状が悪化すると考え、主に身体症状を軽減する薬剤を用い、補助的に向精神薬を用います。 一方、鍼灸治療は、鍼や灸によるツボ刺激から脳内で分泌されるオピオイドペプチドが活性化され、自律機能が向上して身体症状が緩和されると考えられています。 オピオイドペプチドとは、神経伝達物質、神経およびホルモンの調節物質として働きます。 情動、鎮痛、ホルモン分泌、消化管運動など多彩な働きに関与し、 その不活性化は様々な症状を惹き起こす要因の1つとされ、 その不活性化の原因は、ストレス、過労、不規則な生活などとされています。 また、鍼や灸によるツボ刺激は、循環促進、疼痛緩和、筋緊張緩和などの効果も認められ、それらの効果も身体症状の緩和に繋がると考えられています。 |
自律神経失調症の病院治療では、主に向精神薬が用いられます。 向精神薬とは、中枢神経系に働いて精神活動に影響を与える薬物の総称で、 精神安定剤、抗不安剤、抗うつ剤、睡眠剤、抗癲癇剤などが含まれます。 向精神薬は、用法や用量を守れば効果のある薬剤になりますが、残念ながら依存症に陥りやすい薬剤でもあります。 よく「依存性は少ないから」と言われますが、 国立精神・神経医療研究センターによる平成24年の調査では、 向精神薬の薬物依存割合は約15%で、 覚醒剤の約42%、脱法ドラッグの約16%に次ぐ3位になっています。 向精神薬を服用している場合は、その減薬や断薬期に鍼灸治療をご活用下さい。 特に女性の場合は、向精神薬に高プロラクチン血症(生理不順や不妊症原因)の副作用があるものが多いですので、 鍼灸治療をご活用されることをお勧め致します。 但し、自己判断による断薬は、頭痛、不眠、記憶障害などの副作用を起こす可能性があるため、減薬や断薬については医師に御相談下さい。 |